「高卒」と「大卒」
例外があることは重々承知だし、
わたし自身がみずから「高卒だから」と人を見下すことはないと思う。
ただ、わたしの職場では少なからず
「高卒」と「大卒」の間にはおおきな”ミゾ”がある。
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わたしがこの会社に入って間もないころ
直属の上司からこんなことを言われた。
どうだ大卒、高卒が上司な気分はよぉ~(ニヤニヤ)
上司はものすごく楽しそうだった。
正直上司が高卒か大卒かなんてどうでもよかったし
そんなことよりも仕事を覚えることで精いっぱいだたったわたしにとって
まったくもって予想外で「やぶへび」な質問だった。
「質問の意図がわからないのですが。」
と冷たく答えたかったけれど、あとあと面倒なので
「えーそんなのぜんぜんかんけいないですよーーー!(きゃぴっ)」
こんなかんじで切り抜けた記憶がある。
おそらく、自分のコンプレックスの矛先である
「大卒」よりも、立場上「上」にいることが
楽しくて仕方がないのだろう。
そんなことを考えた。
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その後も、「高卒」の上司たちは意味不明なことを何度も口にした。
大卒は「無駄なことばかり」知っているんだね~
大卒って、「経験値」がないじゃない?おれらは経験豊富だからさ~
大卒なんだから、「優秀」なんでしょう?
大卒なのに、こんなことも知らないの?
大卒は、大卒は、大卒は……
こんなことを毎日のように言われ
沸点の低いわたしの怒髪が天を衝かなかったのがおどろきだ。
会社に入りたてのわたしはそうとう我慢をしていたんだと思う。
明らかに目の敵にされている。
ちょっとでも上司が知らないことばを使うと
「でたよ高学歴アピール」と罵られ
(ちなみにわたしはいわゆる高学歴ではない。)
上司が書いた文章の校正作業をすると「こんなになおせねーよ」と文句を言われ
(だって文章が支離滅裂で直さざるをえないんだもん…)
逆にわたしが知らないことがあると、
嬉々として「こんなこともしれないの??(笑)」と、上機嫌。
僕らは君みたいに「優秀」じゃないからさ~という類の嫌味はしょっちゅうだ。
劣等感とは恐ろしいものだ。
ああ、この人たちは「大卒」という生き物に嫉妬しているんだ。
だから「大卒」を叩くことで自分自身のなけなしの自尊心を保っているのだろう。
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自分たちとカテゴリの違う人間を叩くことは楽しいことだ。
だからあえて人間は何かしらの「敵」を仮構し、それを叩くことで自分自身の正当性を主張したがる。
その「敵」が、この会社の枠組みではわたしという「大卒」だったみたいだ。
きっとこの「高卒」と「大卒」の対立はどの職場でも少なからずあるんだろうなーとは思う。少なからずわたしの職場では「高卒」と「大卒」はおたがい歩み寄れない。
上司と良好な関係を築いてみたいなぁなんて
考えたことは何度もあったけど
叶わなそうだったので
早々に諦めたわたしでした。
同じ環境で生きてきた人や同じ価値観を持った人が
近くにいないって
思った以上に大変なことなんだよね。